研究論文他

研究論文他、AGEに関する記事を掲載しています。

イリドイド植物の抗糖化研究

『イリドイド』とは馴染みの薄い言葉かもしれません。イリドイド(Iridoid)はファイトケミカルの一種です。一般的な野菜や果実に含まれていないことから、さほど知られていませんが、AGE研究の分野では、近年、研究が進んできました。今回は『イリドイドの抗糖化作用とその含有植物(Antiglycation Activity of Iridoids and Their Food Sources)』という論文を紹介します。

要約

イリドイドはファイトケミカルの一種であり、AGE生成を抑制することが報告されています。 そこで、3つの方法を用い、イリドイドの抗糖化作用を検証してみました。

#1 タンパク質(ウシ血清アルブミン)と糖(ブドウ糖、果糖)を反応させAGEを作ります。反応液にイリドイドを加え、AGE生成を抑制するか調べました。
#2 健康な34名の成人にイリドイド含有飲料を飲んでもらいます。 8週間後、皮膚のAGE量がどのように変わったかを、AGEリーダーという機器を用い調べました。
#3 イリドイド含有飲料を定期的に飲んでいる人々と、飲んでいない人々を比較しました。 TruAgeスキャナーという機器を用い、皮膚のAGE量を測りました。

【方法】

#1 試験管の実験

試験管にタンパク質(ウシ血清アルブミン)、糖(ブドウ糖、果糖)を加え、58℃の温度で4日間置きます。
その際、以下の4つの条件にします。

a. タンパク質 + 糖 のみ
b. タンパク質 + 糖 + 抗AGE薬(アミノグアニジン)
c. タンパク質 + 糖 + イリドイド(DAA, 脱アセチル化アスペルロシド酸)
d. タンパク質 + 糖 + イリドイド(ロガニン酸)
4日後、培養液中のAGE量を調べます。
AGEは360nmの紫外線を当てると、460nmの光を発する性質がありますので、蛍光度をもとに定量化しました。

#2 臨床試験

臨床試験は34人(平均年齢40才)の男(14名)女(20名)を対象に行われました。
プラセボ(偽薬)は用いず、イリドイド摂取の前後を比較しています。
対象者は健常者であり、以下に該当する方は除外しています
■医薬品を定期的に摂取している
■慢性病、感染症を患っている
■妊婦
■喫煙者
■他の臨床試験に参加している。
被験者からは臨床試験参加の同意を得ており、必要な倫理委員会の承認を得ています。
(trial registration Clinical-Trials.gov NCT01597076)
参加者にはイリドイド含有飲料(TruAge Max, Morinda, UT, USA)を毎日60ml以上摂取してもらいます。
この飲料にはノニ、サンシュユ、オリーブ葉といったイリドイド含有植物が配合されています。
ノニにはDAA(脱アセチル化アスペルロシド酸)、サンシュユにはロガニン酸が含まれます。
初日と8週間後にAGE Reader (Diagnoptics Technologies B.V., Groningen, Netherlands)を用い、
皮膚のAGE量を測定し、変化を調べました。

#3 横断的研究

AGE測定イベントを行い、TruAgeスキャナー(Morinda, USA)を用い、腕の皮膚AGE量を測りました。
被験者は研究参加に同意し、生活習慣のアンケートに答えていただきます。
参加者は3913名にのぼり、うち2,790名はイリドイド含有飲料を定期的に飲んでいる方でした。
対象者の年齢の平均的なAGE量から、『AGE年齢(TruAge)』を算出し、実際の年齢とAGE年齢の差を記録しました。
イリドイド含有飲料を飲んでいる方と飲んでいない方を比較検討します。

【結果】

#1 試験管の実験

ノニ由来のイリドイド(DAA)、サンシュユ由来のイリドイド(ロガニン酸)からは抗糖化作用が確認されました。5mMの濃度では、AGE生成阻害薬のアミノグアニジンよりも強い作用が確認されています。

#2 臨床試験

イリドイド含有飲料を飲む前の平均AGE値は1.89 ± 0.51 unitsでした。
イリドイド含有飲料の摂取を8週間続けていただいたところ、1.77 ± 0.44に減少し、統計的に有意差がありました(p<0.05)。
この差を年齢に換算すると、5歳(44歳と39歳の差)に相当します。

#3 横断的研究

イリドイドをとっている群といない群を単純に比較した場合、AGE年齢にして2.79歳の差があり、統計的にも有意でした。
イリドイド摂取群を摂取量で3群に分けると、摂取量が上がるにつれ、AGE年齢が相対的に若くなっています。
また、喫煙がAGE値に大きく影響することから、非喫煙者のみを対象に比較しましたが、
同じようにイリドイド摂取群のAGE年齢は若く、その差は2.14歳であり、統計的にも有意でした。

【結論】

AGEは老化の原因物質であることが、解明されつつあります。
同時に一部の健康食品や一般食材などに、蓄積されたAGEを減少させる作用が報告されています。
今回の研究を通し、ノニとサンシュユといったイリドイド含有植物がAGEを管理し、
エイジングコントロールに有益であることが示唆されました。
試験管実験の結果から、その作用機序にAGE生成阻害があり、有効成分としてイリドイドが考えられます。

原文はこちらから読むことができます。

International Journal of Food Science, Volume 2014, p. 8
http://www.hindawi.com/journals/ijfs/2014/276950/

2015/10/16   reage

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